お肌を守る3つの「バリア機能」~冬にお肌が乾燥する本当の理由とは?
上田式美容鍼灸Ⓡ、衣笠仲通鍼灸接骨院院長の加藤宏です。
季節の変わり目はお肌の状態も不安定になりやすいものです。
そして、冬がやってくれば寒さと共に、お肌に関して言うと気になるのは「乾燥」。
実際、冬は空気が乾いているのでお肌も乾燥しやすい時期になります。
しかし、冬に乾燥肌になりやすいのは空気の乾燥のせいだけではないのをご存知ですか?
今回はお肌を守る「バリア機能」のお話です。
バリア機能を高めて、潤いのある美しいお肌を手に入れましょう!
お肌の「バリア機能」って何?
人間の体を覆っている皮膚は成人で約1.6㎡、人体で最大の臓器です。
皮膚の役割には
※水分の喪失や透過を防ぐ
※体温を調節する
※外部からの刺激から体を守る
※感覚器として働く
などがあります。
この中でも外からの刺激や内側からの水分の喪失に重要な役割を果たすのが角質層の「バリア機能」です。
「角質」って何?
人間の皮膚の構造は外から表皮、真皮、皮下組織の三層になっています。
一番外側にある表皮はさらに外から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の四つの層に分かれます。
一番深い所にある基底層では細胞分裂が活発に行われており、分裂して出来た細胞は成長するとともに外側へ押し出されていきます。
最終的に細胞は核を失って死にます。
死んだ細胞はケラチンと呼ばれるたんぱく質を含んだ固い細胞になって皮膚に留まります。
これが「角質細胞」です。
角質細胞はお肌の一番外側で角質層を形成します。
三つの「バリア機能」
角質層は約0.02mmのラップのような薄い膜です。
この角質層の主な役割はバリア機能ですが、その為に重要な物が3つあります。
皮脂膜
皮脂膜は皮脂腺から分泌される「皮脂」と、汗腺から分泌される「汗」が混ざって作られます。
水と脂が混ざって作られる、「天然のクリーム」です。
人間の体温である35~36℃位の温度で溶けてお肌に広がり、薄い膜を作ります。
まさに保湿クリームの役割を果たしており、皮脂膜が無ければ水分が蒸発してお肌が乾燥してしまいます。
皮脂膜は角質層を守って保湿構造を保つ事でお肌の滑らかさを保つ役割も果たします。
角質細胞間脂質
角質細胞層はよく「レンガ」と「モルタル」に例えられます。
固い角質細胞は「レンガ」、その間を埋める角質細胞間脂質は「モルタル」の役目です。
角質細胞間脂質は水と油が交互に重なった緻密な構造になっており、この構造は「ラメラ構造」と呼ばれます。
この構造により、体の水分が蒸発するのを防いでいます。
モルタルが足りないとレンガの間はスカスカ、レンガの壁で守る事が出来ません。
お肌では脂質が不足すると水分が蒸発しやすく、乾燥肌になりやすいのです。
細胞間脂質の約50%は「セラミド」、残りは「コレステロール」「遊離脂肪酸」などです。
天然保湿因子
角質層に存在して水分を保持する働きを持つ成分を「天然保湿因子(NMF(Natural Moisturizing Factor)」と言います。
天然保湿因子にはアミノ酸、尿素、ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリンなどがあり、単一の成分を指すのではなく総称を言います。
水と馴染みが良いので水分を抱え込む性質が有ります。
バリア機能が低下してしまう理由
何事も大切なのはバランス、バリア機能も三つが良いバランスを保っているとお肌を良い状態に保つことが出来ます。
しかしながら、何らかの理由でこのバランスが崩れるとバリア機能が低下し、お肌を守る事が出来ず乾燥肌など肌トラブルの原因になります。
バリア機能の低下には内的な要因と外的な要因が関係します。
内的な要因
「顔は心と体を映し出す鏡」、お肌は身体の内と外の境界に当たり、体の内側の状態が外側に現れる所です。
お身体が健康でなければ外側のお肌も美しくはなりません。
美容鍼灸は全身治療、体を整える事でお顔のお悩みに対応します。
例えば不規則な生活、睡眠不足、偏った食事などの生活習慣、過度なストレスなどにより自律神経やホルモンのバランスが崩れる事によりバリア機能は低下してしまいます。
睡眠不足や過度なストレスなどにより体は興奮状態になり交感神経優位になります。
交感神経優位の状態では皮脂の分泌が過剰になり、顔のテカリやべた付きの原因になります。
皮脂はお肌を守る物ですが多ければ良いというものでは無く、水と脂のバランスが崩れるとバリア機能が低下し、べた付いていると一見わかりにくいですが実はお肌は乾燥などのトラブルが起こっている事があります。
もちろん、皮脂が少なくても皮脂膜が不足するのでお肌を守れなくなります。
良質な脂や、お肌の構成要素となるタンパク質を十分に摂る為に食事の内容も大切です。
また、加齢によって天然保湿因子は減少します。
加齢はバリア機能の低下の要因の一つです。
外的な要因
お肌に対する外部からの刺激には様々な物が有ります。
紫外線は日焼けやシミ、タルミの原因になり、空調はお肌を乾燥させます。
花粉は目や鼻だけでなくお肌も刺激して肌荒れの原因になります。
意外とやってしまいがちなのは間違ったスキンケア。
お肌に良いと思って一生懸命やってしまった物が逆効果になってしまう事があります。
お肌を清潔に保つのは大切な事ですが、洗顔のし過ぎやゴシゴシこすってしまうような強い刺激を与える洗顔により皮脂膜が落ちてしまい、バリア機能が低下します。
刺激の強さや回数だけでなく、注意したいのは洗顔時のお湯の温度です。
体温程度で溶けて薄く伸びる皮脂膜は、お湯の温度が高いと溶けやすくなってしまい洗顔すると流れ落ちてしまいます。
逆に、冷たい水はお肌の血行不良を引き起こします。
望ましいのは熱くも冷たくもない「ぬるま湯」です。
併せて注意したいのはシャワーでの洗顔です。
シャワーのお湯を直接顔にかけて流すのは、水圧で皮脂膜が落ちやすくなります。
手ですくって流すやり方がお肌に優しいです。
冬場に乾燥肌になりやすい本当の理由とは?
冬は空気が乾いて湿度が下がります。
乾いた空気の影響でお肌の水分が蒸発しやすくなるのが、乾燥肌になりやすい原因の一つです。
しかし、原因はそればかりではありません。
皮脂膜の不足
皮脂膜は水と脂から作られる天然のクリームです。
皮脂の分泌量ばかりが注目されがちですが、もう一つの材料である汗も重要です。
汗が出る主な目的は体温調節であり、寒い時期には汗をかく量が減ります。
皮脂だけでなく汗が減る事でも皮脂膜は少なくなるのでバリア機能が低下してしまうのです。
グリセリンの不足
グリセリンは天然保湿因子の一つです。
皮膚に存在する表皮ブドウ球菌が皮脂を分解する事でグリセリンが作られます。
一見、感染症などの原因になる黄色ブドウ球菌と間違えてしまいそうですが、表皮ブドウ球菌は身体にとって良い菌です。
この表皮ブドウ球菌の働きが活発になるには温度と湿度が必要です。
空気が乾燥して湿度が低く、気温も低い冬には表皮ブドウ球菌の働きが悪くなります。
作られるグリセリンの量が減る事でバリア機能が低下してしまいます。
ちなみに、誤ったスキンケアにもつながるお話ですが、過度な洗顔は表皮ブドウ球菌のように良い菌を殺してしまう事にもつながります。
お顔以外では、過度な手洗いやアルコール消毒などが肌荒れの原因になるのは良い菌を殺してしまうからです。
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