タンパク質が美肌を作る~プロテインの美容効果とは?
上田式美容鍼灸Ⓡ、衣笠仲通鍼灸接骨院院長の加藤宏です。
毎日洗顔をきちんとする、
帰宅したらお化粧をしっかり落とす、
洗顔後は化粧水などでしっかり保湿をする、
等々…
お肌に対して外側からケアしてあげる事は大切です。
そして、
「顔は体と心を映し出す鏡」
外側からだけでなく、内側からケアしてあげる事も重要です。
お肌に対するアプローチだけでなく、
身体に対するケアも大切。
お身体のバランスを整え、お顔に対するケアもする。
美容鍼灸は全身治療ですので、
身体とお顔の両面からお肌のお悩みに対応します。
そして、生活習慣では食事が大切。
何を食べるか、も美容に関して重要な要素です。
今回は美肌作りに大切なタンパク質についてお話します。
タンパク質は一日どれくらい摂るべき?
体に必要なタンパク質の量は、
一般的に体重1キロ当たり1g、
運動量が多く筋肉を増やしたい方では
1キロ当たり2g程度必要です。
では実際どのくらい摂取されているのでしょうか?
厚生労働省の国民健康・栄養調査(2016年)によると
平均体重(カッコ内は2000年)
男性…61.7キロ(58.0)
女性…50.3キロ(49.2)
一日当たりのタンパク質摂取量
男性 74.6g (84.9)
女性 63.2g (71.1)
これを見てみると、
一見、体重1キロ当たり1gはクリアしているようですが…
◎成長期の子供は1日35g、
中高生くらいでは60gくらい必要になる
◎運動をする方ではもっと必要になり、実際摂取量も多い
◎2000年と比較すると、平均体重が増えているにも関わらず
タンパク質摂取量は減少している
◎ストレスによりタンパク質の消費量は増加し、
ストレス社会の現代では不足しやすい
という事を考えると、本当に大丈夫でしょうか…?
十分足りているとは考えにくいです。
タンパク質が不足すると良くないの?
では実際に、食事ではどのくらいのタンパク質が摂れるのでしょうか?
タンパク質が摂れそうな肉類を見てみますと、
赤身の肉か、脂身の多い肉か、
鶏肉の皮付きか無い物か、
条件によっても変わりますが
おおよそ100グラム当たり20g程度のタンパク質が含まれます。
動物性タンパク質で言えば、卵一個で約8.6グラム。
大豆から作られる納豆は1パックで約12.4グラム。
炭水化物ばかりのイメージの白米では
意外にも茶碗一杯(約150グラム)で約3.8グラム。
…等々、
組み合わせを意識してメニューを決めれば、
基準をクリアするのはそれほど難しくなさそうです。
それでも…
特に女性の場合、無理なダイエットをしてしまったり、
そもそも食が細かったりなど、
タンパク質の摂取が不足しやすいです。
人間の体の約60%は水から出来ており、
その次に多いのがタンパク質で、
約20%、水分以外の半分を占めます。
筋肉、臓器、皮膚、髪の毛、爪など、
多くの物がタンパク質から出来ています。
お肌にとって大切な「コラーゲン」も
タンパク質の一種です。
骨もカルシウムだけでなく、
タンパク質の一種であるコラーゲンが柱となり、
そこにカルシウムが付着するようにして出来ています。
タンパク質が不足する事により、
- ・筋肉が落ちる事による筋力不足、新陳代謝の低下
- ・ターンオーバーの乱れからくるお肌のトラブル
- ・お肌のハリの低下による「シワ」、「タルミ」
- ・血液中のタンパク質の不足によるむくみ、貧血、
- ・免疫力の低下
等、
多数のトラブルの原因になります。
ですので、不足しないよう、意識してタンパク質を摂取する事が大切です。
とは言ってみるものの…
なかなか現代では食事だけでバランスの良い栄養を摂る事は難しいもの。
そんな時にはサプリメントをうまく活用しましょう。
それが「プロテイン」です。
「プロテイン」って何?
「プロテイン」とはその物ズバリ「タンパク質」という意味です。
サプリメントの一種で、タンパク質を補うための補助食品です。
例えば、肉だけでタンパク質を摂ろうとすると、
動物性脂肪の摂り過ぎになってしまったり、
タンパク質だけでなく、脂質や炭水化物を摂り過ぎてしまう事があります。
それがプロテインでは効率よくタンパク質を摂取する事が出来ます。
決して、飲むだけでマッチョになる薬ではありません!
プロテインには、主に大豆から作られる植物性の物(ソイ)と、
乳製品から作られる動物性の物(ホエイ)が有ります。
美容目的で摂取する場合には植物性の物がお勧めです。
プロテインでも摂り過ぎれば体内で脂肪に変えられますが、
植物性の物の方が脂肪に変りにくく、
さらに、大豆に含まれる「イソフラボン」には女性にうれしい効果があります。
三食の食事を摂った上で、
寝る一時間前くらいにプロテインを飲むのがお勧めです。
成長ホルモンの働きにより筋肉やお肌など体の組織は修復され、
その時材料としてタンパク質が使われます。
成長ホルモンは就寝してから30分~3時間後に分泌が高まるので、
そこに合わせて吸収できるように飲むのが最適ですが、
寝る直前すぎると胃腸に負担を掛けてしまうので、
一時間前くらいを目安にしましょう。
さらに、朝起きた後に飲むのも良いです。
寝ている間に体が修復され、タンパク質が消費されているからです。
体の組織は常に入れ替わり続けている為、
常にタンパク質が補給されているのが望ましい状態です。
朝食を簡単にすませがちな方はプロテインで補ってあげましょう。
ちなみに、一般的に食事は朝昼晩の3回という方が多いと思いますが、
ボディビルダーは1日に6回など、小分けにして摂る事が多いです。
空腹が続くとタンパク質が不足し、
筋肉を分解してタンパク質を使ってしまい、筋肉が落ちるからです。
かといって一度に大量の食事を摂ると脂肪がつきやすくなってしまうので、
一度の量を少なくした食事を回数を多く食べるのです。
一般の方がそこまで意識する必要はないかと思いますが、
太りたくない方は参考にしてはいかがでしょうか?
イソフラボンの持つ美容効果とは?
「イソフラボン」とは、
大豆など豆類に多く含まれるポリフェノールの一種です。
特に大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は、
女性ホルモンの「エストロゲン」と似た作用を持ち、
体内の活性酸を除去する作用もあるので、
美肌作りの効果が期待できます。
「エストロゲン」は
「美のホルモン」、
「女性らしさを保つホルモン」とも呼ばれ、
皮脂の分泌を抑制し、コラーゲン生成を促進する事で、
バリア機能を高めてお肌を美しく保つ働きがあります。
お肌、髪の毛の新陳代謝を促進する働きが有り、
若々しく保ちます。
ちなみに…
生理前にお肌の状態が悪くなり、
生理後にお肌が綺麗になるのは、
生理が終わるとエストロゲンの分泌が増加するからです。
肌年齢の低下は年齢と共に女性ホルモンの分泌が低下し、
エストロゲンが減少する事が原因と考えられています。
イソフラボンを摂取する事により、
エストロゲンの作用を補い、お肌が美しくなる事が期待できます。
女性の体では生理周期があり、
ホルモンのバランスが乱れることにより、
生理周期の乱れ、PMS(月経前症候群)などが起こります。
さらに閉経後には急激に女性ホルモン分泌が減少し、
更年期障害の症状が現れます。
イソフラボンを摂取して女性ホルモンの減少を補う事で、
生理周期の乱れやPMSの症状、
更年期障害による「ほてり」や「のぼせ」
などを緩和する働きがあります。
エストロゲンには骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあり、
閉経後には骨粗しょう症のリスクが高まります。
イソフラボンを摂取する事は骨粗しょう症の予防にも最適です。
プロテインは禁止薬物?
スポーツの世界で違法な薬物の使用などにより運動能力を高める事を
「ドーピング」
と言います。
(写真の方はドーピングではありません、念のため…)
報道などでも良く聞かれるので一般の方にもよく知られるようになりましたが、
有名な事件としては1988年のソウルオリンピック、
陸上競技のベンジョンソンの金メダルはく奪の一件が挙げられます。
この時使われたのが「アナボリックステロイド」の一種「スタノゾロール」。
タンパク質の合成を促進し、筋肉量を増やす、
いわゆる「筋肉増強剤」です。
もともとは医療の現場で治療に使われるもので副作用も有り、
肝障害、循環器障害、ニキビや肌荒れ、男性の女性化、女性の男性化等、
引退後まで副作用に悩まされ続ける場合もあります。
興奮剤や筋肉増強剤など、古くから行われてきたドーピングは、
競技における公平性、選手の健康面も考慮して、
多くの大会で禁止されています。
この「筋肉増強剤」と「プロテイン」をごっちゃにしている方が
今でもたまにいらっしゃいますね。
「飲んだら筋肉がムキムキになってしまいそう…」
という女性の心配の声を聴く事も有りますが、
繰り返しますが、
プロテインは飲んだだけで簡単に筋肉が強くなるものではありません。
プロテインはタンパク質という意味で、
あくまで補助食品です。
逆に言えば、あくまでサプリメント、
これだけ飲めば大丈夫!というものでもありません。
しっかり食事を摂った上で、補助するための物です。
沢山プロテインを飲めばきれいに美しくなれる!
という単純な物ではありませんよ!
タンパク質は1g当たり4㎉、
余ったカロリーは脂肪に変えられ体に蓄積します。
また、過剰なタンパク質の摂取は肝臓や腎臓にも
負担を掛けます。
体重1キロ当たり1~2gが目安です。
ご注意ください。
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