なぜ目の周りは特に気になるのか?乾燥の5つの原因と対策
上田式美容鍼灸Ⓡ 衣笠仲通鍼灸接骨院の加藤宏です。
空気が乾燥して、お肌が乾燥にも悩まされるこの季節、
特に目元、目の周りがカサカサするのが気になる…という方も多いのではないでしょうか?
そもそもお顔の肌は敏感ですが、中でも特に目の周囲のお肌は乾燥しやすくなっています。
目元が乾燥しやすい5つの原因と5つの対策についてお話します。
どうして目元は乾燥しやすいの?
では、なぜ目の周りはお肌が乾燥しやすいのでしょうか。
①皮膚が薄くバリア機能が弱い
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層構造になっています。
一番外側の表皮の「角質層」には「皮脂膜」「細胞間脂質」「天然保湿因子」といった
「バリア機能」が存在しており、これらが外部からの刺激からお肌を守っています。
しかしながら、目元の皮膚はわずか0.5mmの厚さで非常にデリケート。
外部からの弱い刺激でも簡単にバリア機能が失われてしまいます。
②皮脂膜ができにくい
バリア機能の一つである「皮脂膜」は
・皮脂腺から分泌される皮脂
・汗腺から分泌される汗
の二つが混ざって作られます。
実は目元の皮膚には汗腺も皮脂腺も数が少なく、皮脂膜が作られにくいので
そもそもバリア機能が弱い部位です。
③刺激を受ける事が多い場所
非常にデリケートで弱い部位であるにも関わらず目元の皮膚は外部からの刺激が多いです。子供の時には回数が少ない「まばたき」も、成人になると1分間におよそ15~20回。
それだけでなく、眼球もひんぱんに動いているので、目の周りの皮膚は
他の部位に比べて伸び縮みする事が非常に多く、これも乾燥しやすい原因の一つです。
また、目が疲れるとついついこすってしまったり、メイクを落とす時にも摩擦されることが多く、
バリア機能が失われる原因となります。
④原因となる疾患
また、疾患によっても乾燥は起こります。
アトピー性皮膚炎の方はもともとバリア機能が弱いために乾燥しやすく、
肌に炎症が起きやすくなります。
接触性皮膚炎(かぶれ)は「刺激性接触性皮膚炎」と「アレルギー性接触性皮膚炎」に分類されます。
刺激性接触性皮膚炎は接触した物の刺激によって起こる炎症で、
目元では目薬や化粧品の化学的な刺激によって起こる事が多いです。
アレルギー性接触性皮膚炎は接触した物にアレルギーがある場合に起こります。
花粉やハウスダストなどにアレルギーがある方は注意が必要です。
バリア機能が弱い部位なのでそれだけ炎症も起こりやすくなります。
⑤過剰なストレス
現代は「ストレス社会」と言われており、仕事や人間関係など
常に過剰なストレスを抱えてしまっている方が多くいらっしゃいます。
ストレスが多すぎると自律神経のバランスが崩れます。
自律神経の乱れは「ホルモンバランスの乱れ」、「お肌のターンオーバーの乱れ」を引き起こし、
お肌は乾燥しやすく、肌荒れも起こりやすくなります。
また、東洋医学ではストレスは五臓六腑の「肝」と関係があります。
肝と目の関係は深く、目の周りや目に関するトラブルの原因にも関係すると考えられています。
目元が乾燥してしまうと…
目元の乾燥がひどくなることで、どんな困ったことが起きてしまうでしょうか?
・化粧ノリが悪い
なんだかファンデーションがきれいになじまない…
いわゆる「化粧ノリが悪い」状態の原因の一つはお肌の乾燥です。
お肌が乾燥しているとファンデーションなどが皮膚へ密着しにくく、
それに加えて皮膚が頻繁に動く事によりメイクがよれてしまったような状態になります。
・目の周りの小じわ
シワが出来るのはお肌が乾燥してよれた状態になってしまうからです。
目の周囲は乾燥しやすいので特に細かいシワが出来やすく、
乾燥が進んでシワが深くなるといわゆる「カラスの足跡」が目立つようになります。
疲れた時に目をこすってしまったり、目薬を差す時に頻繁に触れてしまったり、
メイクを落とす時などに強い刺激をしてしまうとさらにシワが出来やすくなってしまいます。
・敏感肌
肌に合わない化粧品や花粉、ハウスダストなどの刺激で肌荒れが起こる場合があります。
特にお肌のバリア機能が低下した状態では、乾燥して肌が敏感な状態になり、
肌荒れや肌の赤み、湿疹などがひどくなります。
乾燥の対策はどうすれば良いの?
目元も含めて、お肌の乾燥はどうすれば良いのでしょうか?
①十分に保湿をする
乾燥対策には保湿が大切なのは言うまでもありませんが、
目元はほかの部位の倍くらい特に念入りな保湿をしてあげましょう。
バリア機能が低下した敏感肌ではいつもの化粧水でもしみる場合があります。
このような状態の時にはワセリンを塗るのが効果的です。
洗顔後に化粧水で保湿をした後にうすくワセリンを塗っておくことでバリア機能を高め、
お肌に水分を保持し、外部からの刺激から守る事が出来ます。
②負担の少ないメイク
メイクを落とす時のはどうしてもお肌に負担をかけてしまいます。
特にひどい乾燥肌に悩まされているときにはメイクをしないのが理想ではありますが、
なかなか難しい時もあるかと思いますのでそんな時はお肌に負担の少ないメイクにします。
お湯で流すだけで落とせるメイクを使用すると負担を掛けずに落とすことが出来ます。
クレンジング剤は刺激の弱い物、出来れば目元専用の物を使用するのが望ましいです。
③肌に優しい洗顔
通常の洗顔がお肌の乾燥の原因となっている場合もあります。
洗うときに強くこすってしまったり、使用するお湯の温度が高かったりする事でも
バリア機能を低下させてしまいます。
しかし、いくら正しい洗顔方法であったとしても、
頻繁に洗いすぎている事でもやはり乾燥の原因となります。
お手入れをたくさんすればよいというものではありません。
夜寝る前にきちんとメイクを落とすことが出来ていれば、
翌朝は洗顔料を使わずぬるま湯で流すだけでも十分です。
気になるとついついやり過ぎてしまいがちですが気をつけましょう。
④環境の改善
目元のお肌に限ったことではありませんが、乾燥肌の大きな原因はやはり空気の乾燥です。
今の時期、空調が入っていると部屋の中はさらに乾燥しています。
ぬれたタオルや洗濯ものを部屋に干したり、加湿器や観葉植物を置いたりするなど、
部屋の湿度を十分に保つことを心がけましょう。
⑤ストレス解消
ストレスが良くないからと言って、原因となるものを完全に取り除くのは難しい事です。
ストレスは悪いものではありませんが、多すぎる方がほとんど。
適度な運動や趣味に取り組む事などで解消してあげながら、
上手く付き合っていく事が理想です。
まとめ
冬は空気が乾燥しており、さらに空調で室内の乾燥が進んでいます。
特にお肌の乾燥を引き起こしやすい時期です。
目元はもともと乾燥しやすい部位でもあり、さらに外部からの刺激を受けてしまう事が
非常に多く、敏感なお顔の中でも残念ながら特に乾燥しやすいです。
通常の乾燥肌への対策だけでなく特に目元には十分な保湿をするなどの対策が必要です。
患部に気を付けるだけではなく、体の状態も整えていく事で、
内側からも乾燥への対策をしていく事も大切です。
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