衣笠仲通鍼灸接骨院メインイメージ

ご注意!子供の手を引っ張ると…

上田式美容鍼灸Ⓡ 衣笠仲通鍼灸接骨院の加藤宏です。

 

突然ですが、ケガのお話です。

当院は美容鍼灸をメインに行っておりますが、私は「柔道整復師」の資格も所持しており、

院名にも「接骨院」が入っています。

接骨院とは、柔道整復師が施術を行う所であり、

柔道整復師とは、「骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷」に対する施術を行う事が出来る医療従事者です。

今は鍼灸を中心に施術を行っていますが、柔道整復師でもありますので、ケガで来院される方もいらっしゃいます。

そんな中で、緊急の依頼で多い肘のケガである「肘内障」に関してお話したいと思います。

 

 

肘の構造を見てみましょう

肘の関節というと、曲げ伸ばしをするだけの簡単な構造になっていると思いませんか?

実は、結構複雑な構造をしています。

腕を解剖学的に説明すると、

 

上腕部の「上腕骨(じょうわんこつ)」

前腕部の「橈骨(とうこつ)」

「尺骨(しゃっこつ)」

 

の三本の骨が有ります。

 

肘関節を細かく分けると、

腕尺関節(わんしゃくかんせつ) 上腕骨と尺骨

腕橈関節(わんとうかんせつ)  上腕骨と橈骨

橈尺関節(とうしゃくかんせつ) 橈骨と尺骨

の三つがあります。

 

さらに細かく分けると橈尺関節は肘と手首の二か所で関節を作っているので、

体に近い肘は「近位橈尺関節」、手首は「遠位橈尺関節」となります。

 

 

結構簡単になってしまう、「肘内障」とは?

「肘内障(ちゅうないしょう)」とは、いわゆる「子供の肘が抜けてしまった」状態の事。

脱臼に入れられる事もありますが、正確には「亜脱臼(あだっきゅう)」と言われる状態です。

人体で脱臼が最も多い関節は「肩関節」ですが、この肘内障を含めると「肘関節」が最も多いと言われます。

このように、脱臼に含めるには微妙な状態という事ですね。

通常、脱臼では関節をつないでいる「靭帯(じんたい)」や、関節の周りを包む「関節包(かんせつほう)」などの軟部組織が切れたり傷ついたりしますが、肘内障ではそれが起こりません。

肘内障は、先ほどお話した肘の構造の中の「近位橈尺関節」に起こります。

正常な近位橈尺関節では、「橈骨頭(とうこつとう)」という部分に「輪状靭帯(りんじょうじんたい)」と呼ばれる輪っかになった靭帯が引っかかっており関節を形成しています。

肘内障はこの輪状靭帯がずれてしまった状態です

 

大人はならない「肘内障」なぜ子供には起こるの?

肘内障は2~4歳の子供に好発、と言われており、成長するにつれて起こらなくなります

それは、橈骨頭がしっかり出来上がってくるからです。

骨がしっかりすると輪状靭帯が出っ張りに引っかかるので抜けたりずれたりしなくなります。

まだ骨が未熟な子供の内は肘内障が起こりやすくなります。

大人になって起こるとしたら輪状靭帯は切れるか傷ついて少し緩くなっているかのどちらかで、これは肘内障とは呼びません。

 

どうやって肘内障は起こるの?

肘内障の発生機序として多いのはお子様の手を引っ張ってしまう事です。

例えば、お子様が急に走り出そうとした、転びそうになった、etc.…

「危ない!」

と思ってとっさに手をつかんで引っ張ってしまうかもしれませんが、

こんな時でも、出来るだけ肘から上、上腕部をつかんであげるようにしてください。

よくある、お父さんとお母さんの間に挟まれた子供が両手をつかまれて真ん中でぶら下がって歩いている姿…(俗にいう「手つなぎブランコ」)

知らない方は

「素敵な親子ね…」

と思うかもしれませんが、肘内障を知っていると正直冷や冷やしてしまいます…

お子さんの手をつかんでぐるぐる回したりも怖いです。

お子様が腕の筋肉に力を入れているときは筋肉が支えているので大丈夫ですが、

力が抜けた時にぐっと引っ張られてしまうと思った以上に簡単に起こってしまいます。

他にも、お子様が寝ていて寝がえりを打った時に下になって体重の乗った手が引っ張られてしまい起こるなんてケースもあります。

さっきまで何ともなかったお子様が急に痛がって手を動かさない、というように急に起こります。

気を付けられる事があるとすれば、何よりもまず、お子様の手を引っ張るのだけはやめましょう

どうしても引っ張る時は、肘から上を持つようにしてください。

お子様は肩の関節も柔らかいですが、肩の脱臼は肘内障よりは起こりにくいです。

 

なってしまったらどうすれば良いの?

「脱臼」とは、

「関節を構成している関節端が解剖学的状態から完全または不完全に転位して、関節面の生理学的相対関係が失われている状態」

(『柔道整復学理論編』南江堂)

と定義されており、これなら整復(関節を元の位置に戻すこと)すれば問題ないじゃないの…?

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には靭帯が損傷、ひどい場合には切れてしまっていたり、関節包が破れたりといった軟部組織損傷を合わせて起こしています。

したがって、整復した後も固定して損傷部が治癒するまで時間がかかります。

肘内障であれば基本的に靭帯や関節包などが損傷している事は無いので、ずれてしまった靭帯が戻ればすぐ良くなります。

泣きわめいていたお子様がケロッとして元通りに暴れ始めます(笑)

速やかに、病院か接骨院にかかって整復してもらってください。

何度も繰り返す子の場合、外れやすい状態である事は逆に言うと入りやすい状態でもあるので、肘内障になっても勝手に治る事もあります。

見よう見まねで肘を動かしてみれば戻る場合もあるかもしれませんが、無理にやれば組織を痛めてしまう恐れもあります。

また、肘を動かさなくなって痛がっている状態がすべて肘内障であるとも限りません

上腕骨の骨折ばかりでなく、鎖骨の骨折でも肘から手の辺りを痛がって動かさない事があります。

その辺りの判断も難しいかと思います。

 

私も動ける範囲で極力対応させて頂きますので、緊急の場合には一度ご相談いただければと思います。

 

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